JP7FKFの備忘録

ヒトは,忘れる生き物だから.

ネットワークアナライザ用のLOADを作り直した

題のとおりである.
作り直したやつがこんな感じ.
f:id:jp7fkf:20170321221035j:plain:w500
100Ωのやつを2つ並列にくっつけた.2012だと思う.そして半田はできるだけ伸ばさないように,かつしっかり接続され,固定されるように. こいつの特性がこれです. f:id:jp7fkf:20170321221056p:plain:w600
ちなみに前回の特性はこれ
f:id:jp7fkf:20170318012006p:plain:w600
全く変わった結果になりましたね.高周波特性が圧倒的によくなっている.
よくよく考えれば当たり前の話ではあるけど,やってみないと実感的にわからない部分があって,それがはっきりした感じ.高周波工作は難しいなぁ.

ネットワークアナライザ用のCalKitを自作してみた

よくVNA自作している人とかがやっている,CalKitの自作を私もやってみました.
とはいえ,すごく簡単なのです.SMAのメスコネを用意して,Openはピンを切って平らにするだけ,Shortはできるだけピンの根元でGNDと芯線を半田づけするだけ,Loadは抵抗をつけてやるだけです.
私は,Openはピンをできるだけ根元で切って,さらに平面なところに紙やすりを置いて少しヤスってあげました.ShortはGNDと芯線を銅箔テープに穴を開けたものを使ってできるだけ根元でショートさせて半田を盛りました.Loadは200Ωのチップ抵抗(2012だったかな)を4つ,できるだけ対称になるように心がけながら半田付けしてつけてやりました.
完成したものがこちら
f:id:jp7fkf:20170318011549j:plain:w600
f:id:jp7fkf:20170318011706j:plain:w600
ちなみにShortについては,写真では芯線を切っていませんが,最終的には切りました.芯線を切ることによって特性が変わるかどうか見るためにネットアナで切る前と後で比較してみたりしていたのですが,結果的にはほとんど変わりませんでした.なのでただ邪魔なので切りました.
それぞれの特性はこんな感じです.
- OPEN
f:id:jp7fkf:20170318011907p:plain:w600
- SHORT
f:id:jp7fkf:20170318011934p:plain:w600
- LOAD
f:id:jp7fkf:20170318012006p:plain:w600
測定条件的には9kHzから8.5GHzまで測っている感じです.
さすがにGHz帯では位相が回ってしまっている感じですね.LOADに関しては反射も増えてしまっています. このLoad全然ダメですね.適当な手持ち部品で作ったのがよくなかったか.これはリトライしたいです.今さら気付いたんですけど,これだけたっぷり半田盛っているのよくない気がする.絶対影響している.半田少なめでしっかり固定するという感じでリトライしたい.
まぁMHzオーダならなんとか使えるかなという気はしますね.
CalKitは作ったが,自分のVNAが無いのでVNA作りたいな.

Raspberry PiにZabbixサーバを建ててみた.

本題のとおり.
主にはこのサイトを参考にした.
Raspberry PiにZabbix 3.0をインストール
初代RasPiなので遅さを感じることはある.けれどもまぁいっかという感じ.使えていなくはないので.
他の機器の監視とかもSMNPとか使ってやってみたいなと思っている. 温度だったりCPU,メモリとかの状態がすぐわかっていいかんじ.
インストール中に

configure: error: Not found Curl library

と言われたけども,

$ sudo apt-get install libcurl4-gnutls-dev

で治った(たしか).
監視というのは安定的にサービスを提供する上でも,状態を知るという面でも大事なのでガシガシ使って行きたい.

References

さくら野百貨店 仙台店 が破産した話.

百貨店のビジネスモデル

この前私の住んでいる宮城県の仙台駅近くにある"さくら野百貨店"が店を閉じることになった. さくら野百貨店を運営していたマルシェという会社によれば,負債総額が31億円,約120人の従業員は解雇ということになるようだ. さくら野仙台店の売り上げはこの10年で半分程度に減少していたようで,駅前の競争に負けてしまったようだ. 競争相手は駅前の店だけでなく,仙台港周辺や,泉,錦ケ丘にあるいわゆるアウトレットモールと呼ばれる大型のショッピング施設, また,長町や泉中央付近にあるショッピングモール等との競争もあるものだと思われる.特にここ10年ではアウトレットモールが 立て続けにオープンしていたと思う.そのような側面もあるのだろう. 近年入ったH&M,上階にあるムラサキスポーツやBOOK-OFFなどによる利用客の増加を見込んだそうだが,百貨店独自の高級感, ブランド感という面では裏目に出てしまったようだ. 私が知る限りさくら野になる前はビブレという名前で営業していたことを覚えている. 長く続く百貨店が幕を降ろすことになったという衝撃はなかなか大きいものだ.

百貨店離れ

やっぱりこれはあると思う.いわゆる百貨店と呼ばれるところに行く必要がなくなってきた. ネット販売もあれば,専門店が直接街にショップを出したり,アウトレットモール的なところに出したりしている. 百貨店に行く機会も以前と比べたら格段に減ったのではないだろうか.

百貨店のしくみ

百貨店ってどういう風に利益を出しているのかわからなかったので調べて見た. 普通のショッピングモールとかと違うのだろうか?ショッピングセンターとの違いは?という疑問が湧いた.

仕入れの仕組み

委託仕入と消化仕入 両方とも,売れたぶんだけを百貨店側が仕入れたことにする仕組み. 商品が売れると,その売上高の一部を仕入れ代金としてサプライヤー(ブランド店)に支払う. 2つの違いは在庫が誰のものになるからしい.消化仕入なら,在庫はサプライヤーのもの,つまりそのブランド店などの専門店のものとなる. 委託仕入なら,その百貨店のものとなる.そしてこの場合,売れ残ったらサプライヤーに返品という形をとる.

ショッピングセンターとの違いは何なの

ショッピングセンターは上に述べたような百貨店を仲介しているような商品の売買は行われない. ショッピングセンター内にそれぞれのショップが賃貸借契約を結ぶ. これはショッピングセンターのこの区画を貸してもらって営業させてくださいというもの. 要するに土地を借りたり部屋を借りたりするのと同様だ. 商品が売れようが売れまいが,ショッピングセンター側は関係がない. それぞれのショップが商品を売ったり,従業員を雇って,売り上げはすべてショップのものとなる. その代わり,ショッピングセンターにショップを持つとなると,出店保証金等の初期コストがかかる, 反対に百貨店は純粋な売り上げの一部を百貨店側に支払っている代わりに,出店保証金などはかからず,ショップの内装なども 百貨店との協議によって負担割合が決まったりするそうだ.

で?

百貨店が収入を得るには,入っているショップの売り上げというものがとても大事になってくるということですね. ショップの売り上げがないことには百貨店側の利益は存在しないわけです. もちろんショップの売り上げが減ることによるショップ自体への影響ありますが,百貨店と共同で 商品を売っているようなものでもあるので,ショップだけの影響ということにはなりません. 反対にショッピングセンターの場合,入っている店舗の売り上げがどうであろうが,ショッピングセンター側は ショップとの賃貸借契約に基づき, 一定の収入を得ることができることになります.なのでこの場合, ショップの売り上げが減れば,ショップ自体の経営が難しくなり,最終的にはそのショッピングセンターから 撤退するなどといった措置を,ショップ側が取るということになります.

総じて,ショップから見ると百貨店は店舗を出しやすいが,売り上げの一部を百貨店に支払わなくてはならない,百貨店から見ると,ショップの誘致等はしやすく,百貨店の売り場の雰囲気づくりや,百貨店ブランドを形成しやすくなるが,ショップの売り上げがないと百貨店は生きていけない.
また,ショッピングセンターは,ショップの売り上げに左右されることなく常に一定の賃貸借料をもらえるが,ショップが入ってくれないことには収入がない,ショップとしては,ショッピングセンターに比較的初期投資にコストがかかるが,売り上げはすべて自分のショップのものとなる.
ということになると思います.

References

百貨店のビジネスモデルを探れ
仙台駅前「さくら野百貨店」が破産 駅前競争に屈す
J-Net21 ビジネスQ&A
現代流通の仕組み

おもちゃを分解する子供

おもちゃを分解する子供

もし自分の子供が家のおもちゃや家電を分解する子供ならどうだろう.

私ならルールを決めてどしどし分解させたいと思う. おもちゃや家電を分解したいという欲求は知らないことを知りたいと思う欲求ではないでしょうか. それは,知らないことに対して疑問を持つこと.少しでも知りたいと思うこと. そういう感性というものは,大切にしたいと思う.

ルールを決めると述べたが,ルールというのは例えば次のようなもの.

  • 分解したものは,かならず元に戻す.元の形,元の機能に戻す.
  • 分解する前と分解して再結合したときに,親のチェックを受ける.

とか.簡単なものだ. 1つ目のルールは,分解するにあたって,その分解されるものの機能を失ったりすると,家庭に迷惑がかかるということを説明して学ばせる. また,元の状態に戻すにあたって,どうすれば元に戻せなくならないかを考えさせて学ばせる. つまるところ部品をきちんと管理させてなくさない,順番を覚えたり,書いておいたりさせて,再結合できなくなるリスクを減らすということを学ばせる. そして,「これ以上分解すると元に戻せなくなりそうだ.」と感じたら,そこで諦める(=自分のスキルを認めること)ことを学ばせる. 2つ目のルールはこれらの強制性を上げるような意味合いがある.

ものを分解することで得られることはとても大きいのではないのでしょうか. 分解すること,知りたいと思うことを止めてはいけないと思う. ちゃんと決まりを決めればそれはすごくよい教材になる. そんなことを思っています.

もちろんやっていくうちに元に戻せないものも出てくることと思う. それはそれで,できなかったということをしっかり認めさせて,次はどうすればいいかを考えさせなければならない. 私も小さいころに分解して元に戻せなくなることもしばしばあったものです….

最近のゾクゾクしたニュース

最近のゾクゾクしたニュース

SpaceXのFalcon 9の打ち上げをライブストリーミングで見てしまった. SpaceX、Falcon 9ロケットの打ち上げ成功。見事な着地映像に夢を感じずにはいられない
普通のロケットの打ち上げと違うところは,SpaceXがUSの民間企業であることと,このロケットの1st stageは垂直離着陸型であることだ. すごいのは,もちろん1st stageの着陸である. 見ていない人は一度は見て欲しい,動画サイトにアーカイブが上がっていると思う. 発射後,地球の重力圏を抜けるために加速する任務を終えた1st stageは,そのまま海に落っこちるのではなく,指定された場所に戻ってくる. それも,垂直に着陸する. もちろんロケットなので,ロケットの下部にエンジンがついている.この状態で指定された場所まで誘導し,着陸する技術というのはものすごいことだ. 姿勢の制御は主としてロケットの側面に取り付けられは可動式の羽のようなもので行なっているようだ.それに加え,メインエンジンと,数機のサブスラスタ(姿勢制御用)で行われているように見受けられる.ロケットという大きな制御対象をたったこれだけのアクチュエータだけで制御し,着陸して見せた.現代の制御技術,誘導技術の進化と,民間企業がここまでやってのけたことに対して,大きな衝撃を受けた. Space Xは幾度となく失敗している.Falcon 9も例外ではなく,以前にエンジンの燃焼試験中に爆発事故を起こしている.原因は液体ヘリウムタンクの破壊であったようだ. このように失敗を繰り返しても,大きなことをやり遂げたことには大きな意味があり,失敗してもめげずに歩みを続けることの大切さを見た.

初の自動運転レース「Roborace」クラッシュで幕を閉じる
これはF1もそろそろ自動運転になるんじゃないかと友人と話していたところにタイムリーな記事が飛んできたので載せてみる. 自動運転技術は今や世界中の各社が開発を続ける技術である.すでに採石場のダンプ等の技術は実用化が行われている. F1は速度を競うレース,速度をあげようと思うとマシンのチューニング,それと技術を持ったドライバーが必要だ. しかし速度をあげようと思うと,どうしてもドライバーの命が問題になってくる.死亡事故が増えることは目に見えている. したがって,ドライバーのいないF1というのも面白そうだ.いくらでも高価なマシンを破壊できるわけではないが,人の人命に関わる倫理問題は回避できそうである. もとより,F1は人が運転するから面白いのだという意見も大変同意であるが.

総じて,現代の技術の進歩は本当に急速に進歩していることを見せつけられたということだ.

R言語を使ってSmith Chartにプロットする

Smith Chartは美しい

高周波を扱っている人は一度は耳にしたことがあるだろう. このスミスチャートは,インピーダンスなどを特殊な関数によって描かれた平面上にプロットするものだ. スミスチャートを用いると,インピーダンスマッチングが容易になったり,一目でVSWRがどれくらいか分かったり,反射係数が分かったり,位相が何度ずれるか分かったり,Q値が分かったり…などなど,と,非常に便利なのだ. しかしながらこのスミスチャートの特殊性ゆえ,このグラフを美しく描画してくれるようなグラフソフトに出会うことが少ない.
そこで今回はおなじみのR言語を用いてこのスミスチャートを描いてみることにした.

さあ描こう.

色々と調べてみたら,Smith Chartの雛形を作製してくれている人を見つけた.
Plot Smith Chart in R - Stack Overflow
StackOverFlowは便利だ.このコードをありがたく頂戴してeditしてみる.

いろいろ試行錯誤した結果こんなものが生まれた.

#!/usr/bin/rscript --vanilla

#PDFに吐く場合
#filename='smith_chart.pdf'
#pdf(filename, 6, 6)

#入力するSパラメータファイルまでのパス
sp_filename = 'antenna.s2p'

# applies conformal map (z-1)/(z+1) to complex number z
cmap <- function(z) (z-1)/(z+1)

dd <- c(seq(-100, 100, 1), seq(-10, 10, 0.1), seq(-2, 2, 0.02))
dd <- round(dd, digits = 2) # fix roundoff errors
dd <- sort(unique(dd)) # remove duplicates

#こいつがSmithChartを描いてくれます.
smith_grid <- function (val, step) {
  # applies conformal map to lines having fixed real component
  r_grid <- outer(1i * dd[dd >= -val & dd <= val], seq(0, val, step), '+')
  r_grid <- cmap(r_grid)
  matlines(Re(r_grid), Im(r_grid), lwd = 0.5, col = 1, lty = 1)
  
  # applies conformal map to lines having fixed imaginary component
  x_grid <- outer(dd[dd >= 0 & dd <= val], 1i * seq(-val, val, step), '+')
  x_grid <- cmap(x_grid)
  matlines(Re(x_grid), Im(x_grid), lwd = 0.5, col = 1, lty = 1)
}

#観測データを読み込む,先頭が!の行はとばす
measure <- read.table(sp_filename,comment.char="!")
#必要な行だけ抜きだす.抜き出した後のデータはMagと角度(Deg)
measure <- measure[,c(2,3)]
#MagとDegから複素形式に変換.角度がradの場合は無論 /180*pi をしなくてよい.
cmp <- complex(mod=measure[,c(1)], arg=measure[,c(2)]/180*pi)

plot.new()
plot.window(c(-1, 1), c(-1, 1), asp = 1)

segments(-1, 0, 1, 0)
par(new=T)
theta <- seq(-pi, pi, length=100)
plot(cos(theta), sin(theta), type="l", asp=T, axes=FALSE, ann=FALSE)
smith_grid(50, 10)
smith_grid(10, 1)
smith_grid(3, 0.2)
smith_grid(0.6, 0.1)

#お好きな方を
matpoints(Re(cmp), Im(cmp), lwd = 1, col = 2, lty = 1,type = "o",pch=1, cex=0.2)
#matlines(Re(cmp), Im(cmp), lwd = 3, col = 2, lty = 1)

title(main="Smith Chart")

#dev.off()

実際にこれを使って適当なs2pファイルをプロットしてみた.
f:id:jp7fkf:20170208014016p:plain:w500
なかなかいい感じにプロットできていると思う. R言語はこういうプロットとかが自分の好きなようにできて便利だ. 他のグラフソフトにはいろいろ制約が出てきたりしてしまったりするけどRは自分がコードを書きさえすればだいたい自由にできる.ただ書くのがめんどくさいけど.
統計解析とかの機能がついていてくれるから,それも利用してさらにプロットしたいなんという時には非常に便利なんじゃないかと思う.ソフトェアが1つで済むし.

ということで,きちんとR言語を用いてSmith Chartをプロットすることができました.
ちょっと今回のSmithChartには不満があって,右端側のところの等リアクタンス線とか描画されていない部分が気になったりしている. 機会があれば直していきたいと思っている.

References

Keywords

  • Smith Chart
  • R Language
  • Plot
  • Graph
  • Draw