JP7FKFの備忘録

ヒトは,忘れる生き物だから.

ACS758を使ってカジュアルに電流計を作った話

電流を測りたくなったのでわりとカジュアルに電流計を作ってみた. 電流を測定するにあたって,使ったのはAllegroのACS758というもので,このうちの,ECB-200Bというモデルのホール効果を利用した電流センサを利用した. こいつは±200Aの電流を測定することができるというわりとスゴい代物.

こいつから10mV/Aの傾きでほぼリニアに測定値を得ることができる. こいつの出力電圧をADコンバータで受け,PICを使ってLCDに表示することにした.

ADコンバータはなるべく分解能の高いものを使いたい.ここで下記のような16bitでI2CなADCを用いてカジュアルに済ませることにした. こいつの特に便利なところは,差動入力が可能なところと,基準電圧内蔵なところである. ECB-200Bは,正負の電流が測定できるのだが,出力電圧にはバイアスがかかっており,そこから上下に電圧が動くことで正負電流を表現している. この動きの測定にADCの差動入力を大いに利用し,負側にECB-200Bの0点電位を与えることで,差動的に見て負の電圧(絶対的に/GND基準では正の電圧である)も上手にADC出力として表すことができ,余計なこと(バイアスを与えたり,ADC後に0点を考慮して値をオフセットしたり)をせずに簡単に出力値を得ることができるのだ.0点調整もボリュームをつけてやることで現場で0点調整を行うことができて,多少静磁場があるところでも0点を調整して測定ができる. MCP3425(16Bit ADC I2C 基準電圧内蔵)搭載モジュール

リファレンス電源内蔵で,I2Cで測定値を得ることができる代物である. これなら普通の8bitADCしか備えていない安物PICをMCUとして用いることができる.

さらにLCDには,これまたI2Cなキャラクタ液晶モジュールを用いる. 電流値を表示するだけなので8x2行で十分である.

I2C接続小型キャラクタLCDモジュール 8x2行

この2つのI2CなデバイスをPICのI2Cポートにバス接続させて動かすことにする.これならGPIOが少ないMCUが利用できる.

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(写真は誤って制作中に液晶を割ってしまったときのもの....このあと新しいのに変えました.こいつは割れやすいので気をつけないといけない.)

I2Cで値をとって表示するだけなのでPICのお仕事はほとんどない. なので安物の8pinPICであるPIC12F1822を用いる.

こいつのI2CバスにADCのICと液晶のI2Cラインをぶら下げる.

あとはADCの測定値を整形して出すだけ. 簡単だ.

ケースはタカチの単四x2の電池ボックスがついたものを使った.液晶用の穴と,陸軍端子,スイッチ用の穴を開ける. 陸軍端子と電流センサはできるだけ太い配線で結ぶ.銅板を曲げたりしても良いと思う.

電源電圧は5Vで動かしているので,単4x2だと足りない.なのでステップアップコンバータで簡単に5Vに昇圧する.こいつはカジュアルに昇圧したいときに本当に便利である.何も考えなくてもきちんと電圧を吐いてくれる.ただし電流は200mAまでなのでそこそこ電流を食わせるときには多少の注意は必要である.

PFMステップアップDC/DCコンバーター HT7750A(5個入)

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つーわけで,±200Aまで測れる電流計ができた. SANWAのそれなりのテスタで確度をざっくりみてみたけど,いい感じの値を出してくれている. ただし,ホール効果を用いている以上,周りに磁石等があるばあいは値が狂ってくる.強力な磁石を近づけると数十Aオーダーで誤差が出る.一定磁場の中ではキャリブレーション(0点調整)をすればよいが,磁場が変化する場合はこいつでは正確な測定ができないので注意をする必要がある.

なんにせよ,それなりの大きな電流がそれなりの精度で測定できる電流計を作ることができた.電池駆動なので持ち運びもできて小型に収められたので使い勝手が良い.めでたし.

References