JP7FKFの備忘録

ヒトは,忘れる生き物だから.

HDL-GTをLinux(Debian)箱にする

HDL-GT1.0というI-O DATAのNASの筐体を手にいれた.
HDL-GTシリーズ
手にいれたのは筐体だけである.HDDやHDDのソケットすらない.手にいれたNASに電源をいれてみると,一応電源は付いた.故障はしてないようである. NASなので,アクセスするにはネットワークが必要.I-O DATAの取説を読む限りWEB GUIで状態を見ることができるようである.このGUIが動いていれば,モノは壊れてなさそうである.まずネットワークに接続し,IPを特定する.

ping [そのネットワークのブロードキャストアドレス]
arp -a

などを用いて特定し,ブラウザでアクセス.WEB GUI でのアクセスが確認できた. が,このNASはあらかじめ特定のデータが書き込まれているI-O DATAの専用HDDでしか動かないようだ. 空いて居るHDDを直接SATAと電源の端子に繋いでも認識しなかった.

少し調べていると,HDDにLinuxをいれておいて,それから起動させて,Linuxの箱として使えるようにする手法があるようだった.これはHDL-GTシリーズ,HDL-GTRシリーズ,HDL-GXR シリーズで使えるOPEN LANDISK PLATFORMと呼ばれるもので,I-O DATAの名前がついたReadmeなどと共にどこかの場所で公開されている.今回はその手法の流れを備忘録として残しておく.
主として参考にしたのは以下のサイトである.
HDL-GT2.0 素敵NASへの転生の道〜システム構築編〜
これを参考に行った動作だけを簡潔に備忘録として残そうと思う.

まずは適当なHDDを準備する.
今回はUbuntu Server 15.04.02 LTSを用いてこのHDDにイメージを書き込んでいく.

sudo mount /dev/sd* #*はそのHDDの位置

fdiakやらdiskutil(Macだったら)やらを使ってパーティション分割.

番号 ID サイズ
1 83 任意 (通常、128MB 程度を確保します)
2 82 任意 (通常、1GB 程度を確保します。fsck 時などで必要になります) 
3 83 任意 (通常、最低 2GB 程度必要です。)

こんな感じを参考に.私はパーティションを4つ切った.番号3で割り当てる領域が多すぎたので,Linuxに割り当てる番号3の領域をほどほどにしておいて,あとの領域はNASの保存領域だったりとして使えるようにした.
切ったらフォーマット

mkfs.ext3 /dev/sd*1
mkfs.ext3 /dev/sd*3
mkswap /dev/sd*2

そしたらそれぞれの領域をマウントしてやることやる.

mount /dev/sd*1 /mnt
cp [OLP02_boot_etch20071203a.tgzのある場所] /mnt/
tar xvfz OLP02_boot_etch20071203a.tgz -C /mnt
mv /mnt/uImage.OLP02GXR /mnt/uImage
umount /mnt

mount /dev/sd*3 /mnt
cp [OLP02_base_etch20071203a.tgz] /mnt/
tar xvfz OLP02_base_etch20071203a.tgz -C /mnt
umount /mnt

これで再起動するとDebian etchが起動するはず.
etchをlennyにアップデートする.
これはこちらを参考にした.
HDL-GXRをDebian Lennyで使えるようにする

/etc/apt/sources.list
--
deb http://archive.debian.org/debian/ etch main non-free contrib
deb-src http://archive.debian.org/debian/ etch main non-free contrib
deb http://archive.debian.org/debian-security/ etch/updates main non-free contrib
deb-src http://archive.debian.org/debian-security/ etch/updates main non-free contrib
--

apt-get update
apt-get install debian-archive-keyring

/etc/apt/sources.list
--
deb http://archive.debian.org/debian/ lenny main non-free contrib
deb-src http://archive.debian.org/debian/ lenny main non-free contrib
deb http://archive.debian.org/debian-security/ lenny/updates main non-free contrib
deb-src http://archive.debian.org/debian-security/ lenny/updates main non-free contrib
--

aptitude update
aptitude upgrade
shutdown -r now #一旦再起動しておく.
aptitude dist-upgrade

これでetchからlennyになる.

cat /etc/debian_version

でバージョンを確認できる.

で,実はこいつはARM EABIを使っておらずOABIを使っている.つまりarmのパッケージを用いている.つまりlenny(armアーキテクチャ用のバージョンがある)からsqueeze(armアーキテクチャ用のバージョンなし,代わりにarmelがある)への直接のアップデートはできないようである.クリーンインストールをしてarmel対応のものにアップデートすることは可能だ.armelはarmをサポートするらしいので,ちゃんとkernelをコンパイルしていい感じに作ってやれば今の最新のjessieでも動きそうである.現状ではlennyまでしかアップデートはできないようだ. いつかカーネルコンパイルして最新版として使いたい.

References

HDL-GT2.0 素敵NASへの転生の道〜導入編〜
HDL-GT2.0 素敵NASへの転生の道〜システム構築編〜
HDL-GXRをDebian Lennyで使えるようにする
Debian 5.0 (lenny) からのアップグレード
Debian 7 から Debian 8 へバージョンアップ
Debian Squeeze-lts で GPG エラー
玄箱/PROをlennyからsqueezeにアップグレードする(armel)