Canon MP640プリンタ給紙機構の修理
Canon MP640の給紙機構が壊れた.
後トレイから給紙しようとすると,用紙が詰まった旨の表示が.
一度に用紙を何枚も送ってしまっている.
Yahoo知恵袋のあるトピックにこう書いてあった.
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電源が入った状態か、正しく電源を切った状態で、後トレイのふたを開け、紙を乗せるところの板が上がって給紙ローラーに接触していれば故障です。
部品を交換しなければ直りません。
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とのこと.
なるほど確認してみると紙を載せるところが見事に給紙ローラに接触している.
こういう風になるとなんか悔しくて直してやろうという精神が働いたのでまずは分解することに.
いろんなものを分解してきたので,経験を生かしていいかんじに分解.
制御基板.ビューティフォー.
ありました,パキっと割れたカムです.
相手側のカム.なるほど.これは直せそうですね.
というわけでさっそく採寸.
部品の大まかな型取りをして,ノギスやらスケールやらで出来るだけ正確に寸法や角度を出します.
(ちなみにボスはφ7.8です.記載されているφ8ではありませんでした.)
その寸法をもとに,3Dモデルに落とし込みます.
そして3Dプリンタでその部品を印刷.
なかなかいい感じに再現できてます.
細かいところはカッターナイフやらを熱してあげて,溶かす感じで再加工.
微細なところはこれでいいのです.
ということで,
こうなりました.
壊れていた頃は,真ん中の上側の大きなローラ(給紙ローラ)が用紙を載せるところに常に当たっている状態だったのですが,この写真では当たっていません.
動画もどうぞ.
前までは,常に用紙が給紙ローラに接触した状態で,一度に何枚もの用紙が送り出されてしまう状態だったのですが,修理後は,送る際に跳ね上げ機構が動作し,一枚送った後に,きちんと元の状態(跳ね上げ機構が下がっている状態)に戻っています.
これは作製したカムがちゃんと動作しているという事を意味しています.
ということで直すことができました.めでたし.
# 追記(2018/01/09)
ブログをを見てくれた方からの要望があり,ここで作ったモデルのカムは,DMM 3Dプリントに出品しています.
本日までで30個を超える購入があり,皆さまが修理にチャレンジしていただいた修理報告も多数受けております.ありがとうございます.