JP7FKFの備忘録

ヒトは,忘れる生き物だから.

DMM.makeに出品したCanon MP640のカムを用いて修理してくれた方がいた

題のとおりです.
私は先日DMMでCanon MP640の後ろトレイの下のあたりのカムを出品させていただきました.
そのカムを用いて,ご自分のMP640プリンタを修理してくれた方がいらっしゃいました.

私としては,そういうように利用していただける方がいてうれしい限りです.
DMMでナイロン樹脂を用いてプリントし,該当部をヤスって修理をされたということです.

その方に送っていただいたDMM.makeで印刷されたナイロンカムの画像が以下になります.

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一番右側のカムがMP640にもともと入っていたカムで,ぱっきりと割れてしまっています.
左側と真ん中の2つがDMM.makeによりプリントされたものだそうです.

一般的なFDM方式の3Dプリンタよりきれいな造形物と成っている気がします.
ただ,表面に若干の毛羽立ちが見られるような気もします.

この方は,MP640をたくさん所持していらっしゃり,その使い勝手の良さからオークションなどからも入手して利用し続けているとのことでした.
自分の作製した3Dデータが簡単にシェアでき,造形物がすぐにネットで注文できてそれで故障品の修理までできてしまうことが実現されました.
こちらとしても非常にうれしいことだと思います.直せるものはできるだけ直して利用していきたいものです.

交流回路の進み,遅れの話

交流回路を勉強しているとよく見るのが,「コンデンサは進み要素だ」とか,「コイルは遅れ要素だ」とかいう表記を見つけたりします.
いや,確かに間違っていないと思いますが,実は「コンデンサは遅れ要素だ」,「コイルは進み要素だ」などと言っても間違いではないと思っています.
これは基準をどう取るかという問題で,"何が","何に対して"遅れ,進みであるかが重要です.

コイルは,"電圧に対して電流が","遅れ"であり,"電流に対して電圧が","進み"であります.
逆にコンデンサは,"電圧に対して電流が","進み"であり,電流に対して電圧が","遅れ"であります.

電気回路を勉強したての頃,これでちょっと迷ってしまったことがあります.
基準がどっちだかわからなくなることがあったからです.
進み,遅れという相対的な議論をしているにもかかわらず,基準が曖昧だったのです.


また,電気回路を学ぶときにフェーザ表示,フェーザ図などを見たことがある人もいるかも知れません.
これは,ガウス平面に対して複素数で表される電流,電圧をプロットできるという図です.
フェーザ表示はその複素数のmagnitude(大きさ)とphase(角度,つまり基準との位相差)を表します.
このフェーザ図を用いると,"電流を基準"として,理想コンデンサを直列につないだとき,電圧は虚軸の負の向きを指します.
これは,電流に対して電圧が90度遅れであることを示しています.
また,理想コイルを直列につないだとき,同様に,電圧は虚軸の正の向きを指します.
これは,電流に対して電圧が90度進みであることを示しています.
図に示すと以下のようになります.
f:id:jp7fkf:20160927172934p:plain

時系列に見ると,このフェーザ図が時間ごとに反時計回りに回転します.
コンデンサを直列につないでいるときに関して,時系列ごとに見てみます.
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ああ見にくい....
これをもっと繰り返すと...
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ご覧のように,遅れ,進みを議論するときによく用いられる時系列のグラフになります.
(keynoteを使ってちまちま書きました.なんとかできた)
こんな風に理解すると,理解しやすいかも知れませんね.

普段,時間と電圧,電流のグラフで遅れ進みを議論するときは,「コンデンサは,"電圧に対して電流が","進み"」などと,電圧を基準にコンデンサは進みだ!という風に教えられることも多いでしょう.
しかしこのフェーザ表示では,基準を電流とする(実軸に電流を重ねる)ことも多くあり,この場合は電流を基準に電圧は遅れなのです.
このあたりが遅れ,進みがこんがらがる要因な気がします.
(私はこれでこんがらがった記憶があります)


話は変わりますが,一般に現実世界のコンデンサやコイルは直列抵抗成分などを持っています.
もちろんコイルには線間容量が,コンデンサにはESLの成分もあります.

このような様々な要素から,現実世界のLやCは,0度から90度の間の範囲で位相をずらすことになります.
純粋なコンデンサやコイルはぴったり90度ずれることになっていますが,一般に現実ではそれは不可能です.
LCRメータで,位相角をみることができるものがありますが,人間が巻いたコイルなどを測定すると位相角は89度とかになります.

今回はLCRと交流の話になりました.
少しくらい復習になった気がする.
遅れ,進みを議論するときは基準を大切にすること,フェーザ図なども基準が大切ですというのがこの記事のまとめです.

Canon MP640のカムをDMM.makeに出品してみた話

以前投稿した,Canon MP640プリンタ給紙機構の修理 - JP7FKFの備忘録という話で,カムを3Dプリントして修理するということをしていた.
その記事を見てくれた方から,同じ症状で壊れてしまっているという報告を受け,なんとか協力できないかと検討してみた.

そこで,私はその方にDMM.makeの3Dプリントサービスを提案してみることにした.
DMM.make モノが作れて世界で売れる。製造・流通を支援

これは,個人でモデリングしたものをDMMが3Dプリントして発送までしてくれるというものである.
さらに,そのモデリングしたものを公開すれば,あらゆる人がネットショッピングのような要領で購入することができる,クリエイターズマーケットというものもある.
このマーケットは,自分で価格を設定することができ,材料費や諸経費を除いたものは出展者の利益となる.
今回,私の作成したカムはこのクリエイターズマーケットにも公開されている.
Canon MP640 給紙トレイカム - DMM.make クリエイターズマーケット

使い方はいたって簡単で,まずはモデリングした3Dモデルをアップロードする.
普通のSTL形式でOKだ.ほかの形式も使えるらしい.
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f:id:jp7fkf:20160926003348p:plain

ここで,アップロードしたSTLデータが3Dプリントするうえで問題がないかチェックされる.
チェックの状況はメールで報告されるほか,マイ3Dデータからも参照できる.
たとえば私のカムのモデルはすでにチェックされているが,このようになっている.
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修正の必要がある場合は,有料だがデータ修正のサービスもある.
もちろん自分で修正すればOKだが.

あとはこれを公開すれば,みんなが購入できるようになるし,
自分だけで楽しむ場合はこれをDMMで3Dプリントして発送してもらえばよい.
なんと送料は無料だ.

材料も,以下の中から選択可能だ.
 石膏フルカラー
 フルカラープラスチック
 アクリル(Ultra Mode)
 アクリル(Ultra Mode) レッド
 アクリル(Ultra Mode) ピンク
 アクリル(Ultra Mode) ブルー
 アクリル(Ultra Mode) パープル
 アクリル(Ultra Mode) ブラック
 アクリル(Ultra Mode) オレンジ
 アクリル(Ultra Mode) イエロー
 アクリル(Ultra Mode) グリーン
 アクリル(Xtreme Mode)
 ナイロン
 ナイロン レッド
 ナイロン ピンク
 ナイロン ブルー
 ナイロン パープル
 ナイロン ブラック
 ナイロン オレンジ
 ナイロン イエロー
 ナイロン グリーン
 ガラスビーズ強化ナイロン
 シルバー 鏡面
 シルバー 未処理
 シルバー バレル研磨
 シルバー いぶし仕上げ
 シルバー 梨地仕上げ
 シルバー ヘアライン
 真鍮 未処理
 真鍮 鏡面
 真鍮 K24メッキ
 真鍮 K18メッキ
 真鍮 K14メッキ
 真鍮 ピンクゴールドメッキ
 真鍮 ロジウムメッキ
 真鍮 ブラックロジウムメッキ
 真鍮 ガンメタロジウムメッキ
 ゴールド
 プラチナ
 チタン
 クリアアクリル
 ゴムライク(FLX9995)
 ゴムライク(FLX9985)
 ゴムライク(FLX9970)
 ゴムライク(FLX9960)
 ゴムライク(FLX9950)
 ゴムライク(FLX9940)
 ゴムライク(Tango+)
 ゴムライク(RGD8630)
 ABSライク
 ポリカーボネート(PC)
 PC-ABS
 インコネル
 マルエージング
 アルミ
 アルミ(ショットブラスト)
 アルミ(アルマイト
 アルミ(テフロン加工)
 ジュラルミン
 ステンレス SUS304
 ベリリウム
 ガラス

金などでも造形できるのはすごい.
安価なのは石膏やナイロン,ABSだろうか.

ということで,だれでも私がモデリングしたMP640の後トレイのカムを買うことができる.
もしお困りの場合はぜひ利用してもらえるとよいかと思う.

また,このモデルにはちょっと手作業で修正が必要だ.
必要な修正はこの部分.
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ここを
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このように切り取る形で加工をしたい.
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この部分は,カムが抜けないようにするツメのようなものだ.
かぎ状になるように加工をする.
完成品がこんな感じだ.
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最終的にはプリンタに実際はめてみて,うまくハマるかを確かめながら少しずつ削って調整をする.

3Dプリンティングサービスで,修理するパーツもシェアできるいい時代ですね.

Microsoft Comfort Mouse 6000の修理

メインPC(Windows)の入力インターフェースとして,マウス,Microsoft Comfort Mouse 6000を使っています.
ちなみにキーボードはHHKB Pro.

ある日CADを使おうとしたら,マウスの中ボタンクリック(ホイールクリック)が効きづらくなっていることに気づいた.
CADで中ボタンって結構重要な役割なんですよね.視点変更とか色々.
かなり長く使っているしそろそろスイッチの寿命だったのかもしれない.

ということで,分解清掃して,スイッチを交換することにした.
まずは裏のソール上下二箇所を外します.両面テープ止めになっている.
そうするとネジが見えるので,すべて外します.
これでカバーが外れます.
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結構簡単な作りですね.
基板.
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スクロールホイールの右側に,中ボタンクリック検知用のタクトスイッチがあります.
中ボタンってタクトスイッチだったのね.
これは修理してしまった後の画像になりますが….
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赤いタクトスイッチに交換しています.
これは普段見る,普通のタクトスイッチですが,はじめに基板についていたものは,スイッチの押す部分がもっと長いものでした.
なので,私は瞬間接着剤で適当なプラスチック片を貼り付けて高さを稼いでいます(笑).

この交換用のスイッチですが,秋月によさげなスイッチがありました.
長さ的には,おそらくこれくらいだったと思うので,修理にはこれが最適かもしれません.
タクトスイッチ(黒色): パーツ一般 秋月電子通商 電子部品 ネット通販
もちろん私のように,普通の背の低いタクトスイッチにいい感じにバイアスしても良いと思いますが,やっぱり美しい方がいいと思います.

この長い棒の部分のところに,小さなスプリングが入っており,あの独特のホイールクリックの感覚になっているのでした.

修理方法はいたって簡単で,単純にスクロールホイールを外し,下の基板を固定しているネジを外し,基板からタクトスイッチを取っ払って新しいものと交換するだけです.

これでCADを快適に使えるようになりました.

サインスマート製のAD9851モジュールの試食

秋月電子で売られているサインスマートのDDSモジュール(http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-09945/)をPICとARMで試食した.

使ってみた感想としては,シリアル経由で簡単に扱えることがまず一番嬉しい点.
あとはモジュールにフィルタやらなんやらがすでに入っているので余計な労力を使わなくてもそれなりの高周波が得られる点.

ちょっと気になった点としては,このモジュール結構発熱する気がします.
高い周波数にすればするほど発熱します.最高周波数にすると結構な熱をもちます.
ICのAbsolute Maximumは結構高いけどちょっと心配.

Arduinoでのサンプルプログラムは秋月のHPからDLできるが,PICでやっている人を見つけられなかったので,誰かがARMかなんかでやっていたやつをPIC用に改造してみた.
最後にコードを載せておきます.

まだ信号の位相ノイズとかジッタとか高調波をスペアナで見たりはしていないのだけど,簡単な高周波測定器の自作には向いていると思った.
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// PIC16F88 Configuration Bit Settings

// 'C' source line config statements

// #pragma config statements should precede project file includes.
// Use project enums instead of #define for ON and OFF.

// CONFIG1
#pragma config FOSC = INTOSCIO  //  (INTRC oscillator; port I/O function on both RA6/OSC2/CLKO pin and RA7/OSC1/CLKI pin)
#pragma config WDTE = OFF       // Watchdog Timer Enable bit (WDT disabled)
#pragma config PWRTE = ON       // Power-up Timer Enable bit (PWRT enabled)
#pragma config MCLRE = OFF      // RA5/MCLR/VPP Pin Function Select bit (RA5/MCLR/VPP pin function is digital I/O, MCLR internally tied to VDD)
#pragma config BOREN = ON       // Brown-out Reset Enable bit (BOR enabled)
#pragma config LVP = OFF         // Low-Voltage Programming Enable bit (RB3/PGM pin has PGM function, Low-Voltage Programming enabled)
#pragma config CPD = OFF        // Data EE Memory Code Protection bit (Code protection off)
#pragma config WRT = OFF        // Flash Program Memory Write Enable bits (Write protection off)
#pragma config CCPMX = RB0      // CCP1 Pin Selection bit (CCP1 function on RB0)
#pragma config CP = OFF         // Flash Program Memory Code Protection bit (Code protection off)

// CONFIG2
#pragma config FCMEN = ON       // Fail-Safe Clock Monitor Enable bit (Fail-Safe Clock Monitor enabled)
#pragma config IESO = ON        // Internal External Switchover bit (Internal External Switchover mode enabled)

#define PIN_DATA RA0
#define PIN_FQ_UD RA1
#define PIN_W_CLK RA2
#define PIN_RESET RA3
#define _XTAL_FREQ 8000000

#include <xc.h>
#include <pic16f88.h>

void init();
void wr_serial(unsigned char w0,double frequence);
void reset();
void set_freq(unsigned long  freq);

void main(void)
{
  init();
  reset();
  wr_serial(0x01, 30000000);

  while(1)
  {
    
  }
}

void init()
{
  CMCON = 0b00000111; //cut off analog comparator just add this one
  INTCON = 0; // purpose of disabling the interrupts.
  OSCCON = 0b01111010;
  TRISA = 0b00000000;
  TRISB = 0b00000000;
  PORTA = 0b00000000;
  PORTB = 0b00000000;
  ANSEL = 0b00000000;
}

void set_freq(unsigned long  freq)
{
  // freq (delta phase)
  for (int i = 0; i < 32; i++) {
      PIN_DATA = (freq>>i & 1);
      PIN_W_CLK = 1;
      __delay_ms(1);
      PIN_W_CLK = 0;
      __delay_ms(1);
  }

  // control bits
  PIN_DATA = 1;
  PIN_W_CLK = 1;
  __delay_ms(1);
  PIN_W_CLK = 0;
  __delay_ms(1);
  PIN_DATA = 0;
  PIN_W_CLK = 1;
  __delay_ms(1);
  PIN_W_CLK = 0;
  __delay_ms(1);

  // powerdown
  PIN_DATA = 0;
  PIN_W_CLK = 1;
  __delay_ms(1);
  PIN_W_CLK = 0;
  __delay_ms(1);

  // phase
  for (int i = 0; i < 5; i++) {
      PIN_DATA = 0;
      PIN_W_CLK = 1;
      __delay_ms(1);
      PIN_W_CLK = 0;
      __delay_ms(1);
  }

  PIN_FQ_UD = 1;
  __delay_ms(1);
  PIN_FQ_UD = 0;
  __delay_ms(1);
}

void reset() {
  // ensure low
  PIN_DATA = 0;
  PIN_FQ_UD = 0;
  PIN_W_CLK = 0;

  // reset
  PIN_RESET = 1; 
  __delay_ms(1000);
  PIN_RESET = 0;
  __delay_ms(1000);

  // reset to serial mode
  // Pins of D0, D1 = 1, D2 = 0 for serial mode
  PIN_W_CLK = 1; 
  __delay_ms(1);
  PIN_W_CLK = 0;
  __delay_ms(1);

  PIN_FQ_UD = 1;
  __delay_ms(1);
  PIN_FQ_UD = 0;
  __delay_ms(1);
}
    
void wr_serial(unsigned char w0,double frequence)
{
  unsigned char i,w;
  long int y;
  double x;

  //Calculate the frequency of the HEX value
  x=4294967295/180;//Suitable for 180M Crystal  125-180 
  frequence=frequence/1000000;
  frequence=frequence*x;
  y=(long int)frequence;

  //write w4
  w=(y>>=0);
  for(i=0; i<8; i++)
  {
    PIN_DATA = ((w>>i)&0x01);
    __delay_ms(1);
    PIN_W_CLK = 1;
    __delay_ms(1);
    PIN_W_CLK = 0;
    __delay_ms(1);
  }
  //write w3
  w=(y>>8);
  for(i=0; i<8; i++)
  {
    PIN_DATA = ((w>>i)&0x01);
    __delay_ms(1);
    PIN_W_CLK = 1;
    __delay_ms(1);
    PIN_W_CLK = 0;
    __delay_ms(1);
  }
  //write w2
  w=(y>>16);
  for(i=0; i<8; i++)
  {
    PIN_DATA = ((w>>i)&0x01);
    __delay_ms(1);
    PIN_W_CLK = 1;
    __delay_ms(1);
    PIN_W_CLK = 0;
    __delay_ms(1);
  }
  //write w1
  w=(y>>24);
  for(i=0; i<8; i++)
  {
    PIN_DATA = ((w>>i)&0x01);
    __delay_ms(1);
    PIN_W_CLK = 1;
    __delay_ms(1);
    PIN_W_CLK = 0;
    __delay_ms(1);
  }
  //write w0
  w=w0;
  for(i=0; i<8; i++)
  {
    PIN_DATA = ((w>>i)&0x01);
    __delay_ms(1);
    PIN_W_CLK = 1;
    __delay_ms(1);
    PIN_W_CLK = 0;
    __delay_ms(1);
  }
  __delay_ms(1);
    PIN_FQ_UD = 1;
  __delay_ms(1);
  PIN_FQ_UD = 0;
  __delay_ms(1);
}

PIC16F88を用いた周波数カウンタの作製

とりあえず一通りの測定器が欲しいわけなので,周波数カウンタを持っていなかったから作ってみた.

とはいえ自分で一から作ったわけではなく,こちら(PIC<40>)を参考にさせていただいた.
PIC16F88を用いて,直接計数方式でカウントしている.
1:1, 1:8のプリスケーラが選べて,1secと0.1secのゲートタイムが選べる.

作製したものがこちら.
外観はこんな感じ.
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頑張って小さいサイズに収めれるように,PICはICソケットで下駄を履かせずに直接ユニバーサル基板にハンダしてます.
あとは小型化のために,小型のLCD(http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-01797/)を用いています.
これ,超小型LCDとかいてあるけど,どっちかというと超薄型と記載したほうがいい気がする.
TFT液晶と比べるとバックライトあたりが厚くて全然超薄型でもないんだけど.
f:id:jp7fkf:20160905192702j:plainf:id:jp7fkf:20160905192731j:plain
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スプラッシュ表示と,測定画面.
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作るのは簡単でした.
しかしながら,上記の紹介されていたHPの作り方では2SC1815のベースにカップリングコンデンサ経由で信号を入れていたので,もうちょっとハイインピーダンスなもので信号を終端したい気もする.J-FETかMMICかオペアンプかなんかで.
あと50Ω終端もあると便利なのかな.

あと,基準クロックに20MHZのクリスタルオシレータを用いているのですが,これがTCXOではないため,温度の影響を受けます.
電源投入後直後からだんだんと表示周波数が上がっていき,"ハー"と息を吹きかけると一時的に周波数が上昇します.
まあ変動幅が数十Hzくらいなので,あまり気にしていません.普段使う分には〜10Hzくらいの偏差で済んでいます.

あと,1secと0.1secのゲートタイムで測定に差があります.
タイマのレジスタにセットする値と,NOP命令で調整はしてみたのですが,
1secと0.1secのどちらのモードもぴったりに合わせるということはできませんでした.
まぁif文で1secと0.1secを判別して,NOPの数を変えてしまえば済むことかもしれないのですが,時間的にクリティカルな場所にif文を置きたくないと思いました.
たぶんきちんとがんばって値を探っていくと,どっちもいいかんじになる最適値がわかる気がします.
NOP命令1つあたりの測定周波数の差と,タイマのレジスタ1ビット変えた時の測定周波数の差から計算してみようと思ったところで終わっています.たぶんこれで計算すればいけるはず.

とりあえずアマチュア用途くらいには使えそうな周波数カウンタができました.
今後改造するならば,TCXO化と,入力回路の改造(終端抵抗値の変更(1MΩと50Ωくらい?)),とレジスタの設定値,NOPの数の最適値を探ることです.
改造するかすらわかりませんが.

つくりたいもの

今後作りたいものがいろいろある.


・デジタルSWRメータ
氾濫原さん(https://lowreal.net/2016/03/08/1)の記事を見て作りたくなって作ってる.
デジタルSWRメータの作製1 =方向性結合器の作製= - JP7FKFの備忘録
デジタルSWRメータの作製2 =方向性結合器の作製2= - JP7FKFの備忘録
このエントリでも紹介してあったが,方結がうまく動いてなくて止まってた.
原因はなんとコアを通る同軸の外皮の両端がシャーシ(GND)に落としてあるということだった.
当たり前だ.GNDを伝わる電流がコア内部を流れてしまう.
これに気づくのにしばらくかかってしまった.わけがわからない.
ということでうまくいきそうです.
(というか今の所PICマイコン(PIC16F88)を使って仮組みしてあるのですが,かねいい感じです)
ただ,PICのメモリが今の時代にしては極端に小さく,POWER関数を計算するだけでプログラムメモリがあっぷあっぷで,他の実装がろくにできません.進行波,反射はの電力とSWRを計算して出すくらいはできるんだけど.
なので,ARMに移植してみようかなと考えています.
PIC16F88は10bitADCしかもっていないため,特に大電力域での電力分解能が著しく落ちます.
なので,少なくとも12bitADCを使いたい.なので,12bitADCが内蔵されていて,かつプログラムメモリも十分であるSTM32F042(http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-10789/)なんかを使ってみようかと考えている.
正直オーバースペックなのだが,なんにせよこの価格は安い.なのでまぁいいかという感じ.

・アンテナアナライザ
これも氾濫原さんのところで見たやつです.
簡単かつ安く高精度なアンテナアナライザーを自作したい | tech - 氾濫原
アンテナアナライザーをケースに収めた | tech - 氾濫原
市販のアナライザと同じような波形が出ていて,十分使い物になりそう.
先日AD9851のモジュール(http://akizukidenshi.com/catalog/g/gM-09945/)をPICやらnucleoでいじってみたのだけど,簡単なシリアル通信で周波数設定ができるし,非常に使い易い.
なので私にもできそう.今はRFスイッチの入手をどうしようか苦労してる.

・VNA
これはHFアップコンバータなどの頒布でもお世話になったTT@北海道さんのところの記事で見た.
DDS AD9859とGNURadioでVNAを作ってみる(5.周波数レンジ拡大2GHz編) - Computer Radio RF Tech
VNA製作(6):matplotlibとSciKit-RFによる校正とスミスチャートのプロット - Computer Radio RF Tech
HFコンバータキットのポート特性を自作VNAで眺めてみる - Computer Radio RF Tech
NanoVNA(仮称)を製作予定です - Computer Radio RF Tech

非常によくできており,DG8SAQさんのところのVNWA(http://sdr-kits.net/VNWA3_Description.html)とも良く似た特性が出ていて(仕組みは同じだから当たり前といえば当たり前なのだが)使い物になりそう.
AD9859が若干高価なのが痛い.
けど,RSオンラインでAD9859は手に入るし,ミキサであるSA612もRSで手に入る.
なので実現はできそう.
私の場合これにBluetoothやら何やらで他の液晶に転送して表示するということをやりたいかもしれない.
たぶんnanoVNAでTT@北海道さんがSDカードソケットをつけているのはFlashAirをつけて同じようなことをしようとしているのか?とも思った.

オシロスコープ
オシロを持ってない.高価なので買う気になれないので作りたい感じ.
別に高機能を求めているわけでなく,時々信号が見たいときがあるのでそういう時に使えればいいかなという感じ.
ATT,アンプと高速ADC,CPLDSRAMMPUで構成しようかなという感じ.
おそらく観れるのは10MHzくらいが限度か?
なので最近はCPLDに手を出そうとしています.
で,CPLDは所持しているのですが書き込み機を持っていません.
なので書き込み機を作るところからです.
JTAGの書き込み機を自作しているページがちらほらあるので,まずはLチカ(もしくはAND回路?)からかな?

で,ここまで書いて思った事.
自分は誰かのやっていることをコピーしているだけで,オリジナリティがないなぁと思う.
TT@北海道さんなんかはアイディアも知識も技能も素晴らしく,いろいろなモノの組み合わせで新しい事をしている.
氾濫原のcho45さんなんかは,webまわりのプログラミング知識だけでなくRFにも精通する人で,この方も新しい事をしている.

私はそんな人をただ真似ているだけで,新しい事をしていない.
第一,私はもともと新しいことをしたいわけじゃなく,測定器やら機材にあまりお金をかけられないので,自分で作ってしまいたいという思いがあるからなのかもしれない.まぁパーツやなんやらを買うと測定器が買えてしまうくらいのお金をかけている場合もよくあるのだが,作るとともに知識も同時に得る事ができればと思っている.
なので,作っている時はあんまり楽しくない(要は作業だから)ときもある.
だが自分でその測定器やら機材を手に入れたいから作る.

しかし最近はちょっと新しいこともしたいなという思いもある.
楽しみながらやる工作っていいよなと思う.
そもそも,そういうものがものづくりの根底な気もする.
という最近の心情.

作れる測定器をさっさと作って,そろそろ新しいことをやってみようかなという感じ.